| 理想と現実の中で |
そんなある日、教授の一人に、ご自宅に呼ばれました。そして、その先生は「君たちは正しい」と言ってくれたのです。誰のための学問なのか、建築の本質とは何か、我々は問い続けなければならないと。
その上で、先生はつけ加えられました。「でも私たちにも学者・教育者の立場と生活者としての立場を全員がもっているんだよ・・・」これには参りましたね。やられたーって感じです。理想がなくては生きていけない。けれど理想だけではだめだ。そのことを、本音をさらけだして教えてくれたんですね。だが先生は、一介の生活者に成り下がったわけではない。私たちに人間学の重要性を教えてくださった。人間学の第一歩でした。この方は建築構造の世界的な権威で、霞ヶ関ビルなどの超高層ビルを手がけた狩野芳一先生です。 |
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